体の中から健康に! 腸内環境を整える

step5
無理なく継続することが大切

腸を健康にする運動

腸を健やかに保つための食事や運動のコツをご紹介します。
忙しい現代人でも今日からできる、簡単で効率的な方法ばかりです。

食事のコツ

必要な栄養や食品を軸に1日の食事を計画的に考える

人それぞれライフスタイルは異なります。毎食とも発酵食品や野菜をたっぷりと摂る完璧な食事は難しいという人もいるでしょう。例えば夜、外食をする日は、朝と昼で発酵食品や野菜を摂る。朝は忙しくてゆっくり食べられないという人は、朝は軽めでも、その分昼に栄養バランスのとれた食事をするなど、1日の食事をトータルで捉え、必要な食品を計画的に摂ることをおすすめします。

  • 発酵食品は意識して食べる

    ヨーグルト、キムチ、ぬか漬け、みそや納豆などの発酵食品は、善玉菌の栄養源となる乳酸菌を多く含む。善玉菌が増え、腸内環境が良好に。

  • ヨーグルト、キムチ、ぬか漬け、みそ、納豆 イラスト
  • よい便通には水が必須

    硬くてコロコロした便は水分の摂取が足りない証拠。便を軟らかくしてスムーズに排泄するためにも、1日1~2Lのたっぷりの水分が必要。

  • 水ペットボトル イラスト
  • 食物繊維は腸のお掃除役

    食物繊維は便のもととなり、便を形成する。また、腸の働きを促し、腸内の善玉菌を増やす役割もある。1日20~25gを目標に摂るとよい。

  • 根菜、いも類、豆類、玄米 イラスト

    不溶性食物繊維

    根菜、いも類、豆類、玄米など。

    果物、こんにゃく、海藻 イラスト

    水溶性食物繊維

    果物、こんにゃく、海藻など。

食事も運動もできることから始めよう

朝は食欲がない、胃がもたれるという人は、夜の食事量や動物性タンパク質の摂取量が多い傾向があります。朝、お腹がすいて目が覚め、朝食をおいしく食べられるように、夜の食生活を見直してみましょう。

腸を健康にする食品としては、善玉菌を増やすのに有効な発酵食品が挙げられます。ありがたいことに、みそやしょうゆなど、日本の伝統的な食事には数多くの発酵食品があります。

もちろん食物繊維も大事です。食物繊維には、根菜やいも類、豆類、玄米などを代表とする「不溶性食物繊維」と、海藻やこんにゃく、果物などを代表とする「水溶性食物繊維」の2種類があります。不溶性のほうは、水分や老廃物を吸収して膨らみ、便のカサを増やす役割。水溶性は、主に便の水分を増やし軟らかくします。小林先生によれば、「どちらも大事ですが、便秘解消のためであれば水溶性を意識的に摂り、硬くなった便を軟らかくすることを心がけるとよいでしょう」とのこと。

また、腸内環境を良好にするには適度な運動も効果的です。特別なことをしなくても、朝夕の通勤時間を利用してのウォーキングや簡単なストレッチだけでも十分。それにより、腸に刺激を与えたり、排便に使う筋肉を鍛えたりすることができます。いつまでも若々しく健康な腸を保つために、できることから始めてみてはいかがでしょうか。

毎日できる運動

  • 座ったままできる簡単ストレッチ

    大腸の上行(じょうこう)結腸や下行(かこう)結腸などの曲がり角になる部分に便はたまりやすい。体をひねり倒してその部分を圧迫すると便を押し出す効果が。

    [方法]
    いすに座り、脚を肩幅に広げ、体をひねり左手で右足首をつかむ。同様に右手で左足首をつかむ動作を、左右両方5〜10回程度を目安に行う。

  • いすに座り、脚を肩幅に広げ、体をひねり左手で右足首をつかむ。同様に右手で左足首をつかむ イラスト
  • 1対2の呼吸法

    自律神経を整えるには、息を吸う時間に対し、その2倍の長さで息を吐く「1対2」の呼吸法が有効。この呼吸法を数回から10回程度行うだけで自律神経を整えることができる。酸素の取り込みも増えるので、全身の血流もよくなる。

    [方法]
    ゆっくりと鼻で3秒間息を吸い、6秒かけて口からゆっくりと息を吐く。無理のない程度の長さから始め、慣れてきたら5秒間息を吸い、10秒間かけて吐く。

  • ゆっくりと 3秒で吸って6秒で吐く イラスト
  • 姿勢を意識してウォーキング

    背筋を伸ばし、お尻の穴をきゅっと締めて歩くことで、排便時に使う肛門括約(かつやく)筋を鍛えられる効果が。普段の歩き方を意識するだけで、腸にもよい影響を与えられる。

  • 背筋を伸ばし、お尻の穴をきゅっと締めて歩く イラスト

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