おなかのハリを解決!

Q2おなかのハリの原因「呑気どんき症」ってどんな症状?

A. ストレスや緊張感の強い人に多い症状です。

呑気症は空気嚥下えんげ症ともいい、おなかのハリで困っている人に大変多く見られます。ストレスとのかかわりが深く、まじめな人や考え過ぎる人に多い傾向があります。ハリの他に、おならやげっぷが増え、仕事や学業に支障を来すなど、本人にとって深刻な悩みとなっているケースも少なくありません。

人は緊張すると唾液が出て、つばを呑み込むことが多くなり、この時一緒に空気も呑み込んでいます。つばを1回呑み込むと15mlの空気を一緒に呑み込むといわれ、100回余計に呑み込めば、1.5ℓの空気がおなかに入ることになります。

改善のためには、ハリの原因を認識した上で、おなかが張る不安からできるだけ意識を離し、気にしないようにすることが一番です。難しい人には、心身をリラックスさせる自律訓練法や認知行動療法などの心理的アプローチが助けとなります。

Q3なぜ、腸内環境が悪いとガスが増えるの?

A. 大腸の悪玉菌が異常発酵を起こしてしまうから。

人の腸内にはたくさんの腸内細菌がすみつき、腸内フローラ(細菌そう)を形成しています。腸内細菌の中には健康によい影響を与える菌(善玉菌)もあれば、有害な菌(悪玉菌)もあり、それらのバランスを「腸内環境」と呼んでいます。よい腸内環境とは、腸内細菌のうち善玉菌が優勢になっている状態のことを指し、腸内環境の乱れとは、善玉菌が減って、悪玉菌が増えている状態をいいます。

腸内環境がよいと、小腸で消化されなかった食べカスは大腸内でよい発酵を起こしますが、腸内環境が悪いと異常発酵を起こし、腸内にガスを発生させてしまいます。また、人によっては消化しにくい食物繊維を摂り過ぎたり、消化酵素が少なくて消化が十分にできなかったりすることも、ガスを増やす原因となります。悪玉菌がタンパク質や脂肪を分解してアンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、インドールなどの有害物質ができると、おならのにおいが強くなります。

善玉菌と悪玉菌のバランスは食事や加齢などいろいろな要因で変化しますが、ストレスも大きく影響し、腸内環境を乱す原因となるので注意が必要です。

Q4腸の形も影響するって本当?

A. 日本人特有の腸の形がぽっこりおなかの原因にも。

長年たくさんの患者さんの腸を診てきた結果、日本人のおよそ8割が、大腸がねじれている「ねじれ腸」、大腸が落ち込んでいる「落下腸」のいずれかに当てはまることが分かりました。

ねじれ腸や落下腸の人は便が引っかかってガスがたまりやすく、下腹が出た「ぽっこりおなか」になりがちです。落下腸の場合は、便がなくても腸自体が骨盤内に落ち込んでハリの原因となります。女性は筋肉が少なく骨盤が左右に広いため、腸が動いてねじれたり落下したりしやすいのです。腸の形は遺伝なのでそれ自体を治すことは難しいのですが、運動やマッサージ(Q6参照)を続けることでねじれ部分が一時的にほぐれたり、大腸全体が上がったりして、便が通りやすくなります。

腸の形をチェック

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