栄養補給で乗り切る 夏の疲れ

Q1

夏の疲れはどのように起こるの?

A. ビタミンB群の不足が疲労を招きます

疲れには食生活が大きくかかわります。高温多湿のため汗と共に体内の塩分が失われると、塩を主成分とする消化液の分泌が少なくなり、消化能力が低下。食欲がなくなって水分ばかり摂っていると、さらに食欲が低下することになります。そこで不足しているエネルギーを手っ取り早く補おうと糖分ばかりを摂り過ぎると、代謝に必要なビタミンB群が不足してエネルギー不足となり、 疲労を招くことになるのです。

汗と共に体内の塩分が失われる→消化液の分泌が減り消化能力が低下→水ばかり飲み、塩分を摂らない。その結果、甘い物で手っ取り早くエネルギー補給→代謝に必要なビタミンB群が不足してエネルギー不足→疲れ(夏バテ)
Q2

夏はなぜ疲れるの?

A. 暑さや湿気が原因で食生活が偏るからです

夏は暑さや湿気が原因で次のような状態になり、疲れを感じるようになります。

●食生活の偏り……食欲が低下して食事を抜いたり、そうめんなどあっさりした炭水化物中心の食事を摂ったりしがちで、ビタミンなどの栄養素が不足する。

●睡眠不足……暑さで十分な睡眠をとることができないため、その日の疲労が回復できず、蓄積する。

●冷房による冷え……冷房が利き過ぎた室内に長時間居続けることで血行が悪くなり、冷えやだるさなどの症状が現れる。

●暑さを我慢する……節電を意識して冷房の使用を我慢することで、夏バテを起こす。

夏の疲れを引き起こす原因

  • 食生活の偏り

  • 睡眠不足

  • 冷房による冷え

  • 熱さを我慢する

Q3

疲れを招きやすい食生活とは?

A. 炭水化物のみの食事やタンパク質の不足です

食欲が低下する夏は、食生活が偏る傾向にあります。夏にありがちな、よくない食生活は次の通りです。

●水分の過剰摂取……水分ばかり摂り塩分を摂らずにいると、消化能力が低下して食欲不振を招く。

●炭水化物のみの食事……ごはんやパン、めん類など糖質の摂取量が増えるほど、それらの代謝に必要なビタミンB群を消費する。ビタミンB群が不足してしまうと糖質をエネルギーに変換できずに疲労を招く。

●タンパク質の不足……肉や魚、卵などのタンパク質を多く含む食品を毎食摂らないと、主に鉄不足を招く。すると全身への酸素の運搬や、老廃物の回収が滞って疲れやすくなる。

●食事を抜く……食欲の低下により1日3食摂らないことで1日に必要なエネルギーや栄養素を補給できず、疲労を回復できない。

疲れを招く食生活

  • 水分の過剰摂取

  • 炭水化物のみの食事

  • タンパク質の不足

  • 食事を抜く

Q4

疲れをためない生活習慣は?

A. その日のうちに疲れをリセットすることです

疲れをためないためには、その日のうちに疲れをリセットすることが大切です。日々の生活習慣を次のように改善してみましょう。

●1日3食、栄養バランスのよい食事を摂る……「一汁三菜」といわれている、ご飯に汁物、おかず3種で構成された日本の献立が理想的。加えて高齢者は脂質の摂取量が不足しがちなため、脂質を含んだ料理を意識して摂るとよい。

●十分な睡眠をとる……翌朝きちんと目覚めて、日中に疲れを感じないのが適切な睡眠時間。疲れ具合によって睡眠時間を調節する。また、寝る前のカフェインや過度なアルコールの摂取、喫煙など、睡眠を妨げる要因を避けることも大切。

●湯船に浸かる……暑いからとシャワーだけで済ませると、冷房で冷えた体の血流が滞ったままで老廃物がたまり、疲れが慢性化してしまう。なるべく湯船に浸かる習慣をつける。

●冷房の設定温度は25~28度を目安にする……屋内外の気温差を小さくするため、冷やし過ぎは禁物。逆に節電意識の高まりから使用を我慢したり、設定温度が高過ぎたりしても熱中症のリスクが高まる。就寝時には設定温度を高めにしたり、自動で切れるようにセットしたりする。

●軽い運動を行う……涼しい場所で、または涼しい時間帯に、軽い筋トレやヨガ、ウォーキングなどを行い血流をよくする。

疲労をためない生活習慣

  • 1日3食、栄養バランスのよい食事を摂る

  • 十分な睡眠をとる

  • 湯船に浸かる

  • 冷房の設定温度は25~28度を目安にする

  • 軽い運動を行う

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