暑さに負けない!家族の健康管理

Q3

夏バテを予防する食事法は?

A. 栄養バランスよく、規則正しい食生活を

夏バテを予防し、元気に過ごすために、次のような食事を心がけましょう。

●偏食を避け、できるだけ栄養バランスよく食事を摂る。

●1日3食、なるべく決まった時間に食事をする。

●消化がよくなるよう、よくかんで食べ、食後30分は休憩するようにする。

●良質のタンパク質、ビタミン、ミネラルを積極的に摂る。

●冷たい物を摂り過ぎない。

夏場はどうしても冷たい物が食べたくなりますが、摂り過ぎると胃腸の活動を弱めて、消化不良や食欲不振の原因になります。そのほか、ビールや清涼飲料水の飲み過ぎは、胃の中の消化酵素を薄めて消化・吸収機能を弱めますから控えましょう。

胃がもたれて食欲不振が続くときは、市販の胃腸薬を上手に使うことも有効です。

夏を元気に過ごすために

  • 1日3食、バランスよく

    朝昼晩のごはん イラスト
  • よくかんで食べる

    ごはんを食べる女性 イラスト
  • 良質のタンパク質を摂る

    魚、豆腐、納豆 イラスト
  • ビタミン・ミネラルの補給

    ビタミン・ミネラル しっかり補給 イラスト
  • 冷たい物を摂り過ぎない

    冷たいビールやアイスに×印 イラスト

上手な水分の摂り方は?

水分は一度に摂り過ぎると胃の機能低下を招くので、がぶ飲みを避け、こまめな補給を心がけましょう。運動時は、事前にたっぷり水分補給をし、運動中も15~20分ごとにこまめに摂るようにしましょう。運動後はミネラルも補給できるスポーツドリンクがおすすめです。また、子どもは本来、発汗量とほぼ同じ量の水分を自発的に補給する能力がありますので、飲みたいときに飲める環境をつくってあげることが大切です。高齢者はのどの渇きを感じにくく、水分補給が不足しがちですので、定期的に補給する習慣をつけるとよいでしょう。

  • 子ども

    のどが渇いたと思う子ども イラスト
    のどが渇いたと感じたらすぐに飲める環境づくりを。
  • 高齢者

    のどが渇いたとは思ってない老人 イラスト
    定期的な水分補給を習慣づける。
Q4

食欲がないときはどうしたらよいの?

A. 食欲を増す味つけの工夫、ドリンク剤の活用を

夏バテが原因で食欲がない場合、食べなければ体力がつかず、夏バテも回復しないという悪循環が起こります。少量でもよいので3食摂るよう心がけましょう。食欲を出すスパイスを上手に取り入れるなど、料理法の工夫も効果的です(下イラスト参照)。

それでも食欲がないとき、疲労感が強いときはドリンク剤などで栄養補給するのも1つの方法です。

夏場の食欲不振に

  • 調味料で味つけの工夫を

    山椒、ワサビ、生姜、レモン、酢、梅干し イラスト
  • ドリンク剤を上手に活用

    栄養ドリンク イラスト
Q5

夏場の疲労回復に役立つ栄養素は?

A. 疲労回復に有効なビタミンやタウリンなど

栄養バランスのとれた食事が基本ですが、特に積極的に摂りたい栄養素は疲労回復に有効なビタミンB1 。気温が15度から35度に上昇すると、体内で消費されるビタミンB1 が3倍になるといわれます。

そのほか、暑さやストレスに対する抵抗力を高め、だるさや疲労感を取るビタミンC、自律神経を整えるパントテン酸などを多く含む食品も意識的に摂るようにしましょう。

また、ドリンク剤などに配合されているタウリンは、細胞内の浸透圧を調整し、細胞の機能を維持する働きをします。疲労回復や夏バテの改善にも効果がありますので、上手に活用しましょう。

疲労回復に有効な食品

ビタミンB1 を多く含む食品

大豆 イラスト
大豆
ごま イラスト
ごま
豚肉 イラスト
豚肉
ほうれん草 イラスト
ほうれん草

パントテン酸を多く含む食品

豚レバー イラスト
豚レバー
カツオ イラスト
カツオ
マグロ イラスト
マグロ
鶏肉 イラスト
鶏肉
Q6

夏バテを防ぐのに運動って効果的なの?

A. 汗腺機能を向上させる運動習慣が有効

私たちがかく汗には、体温を一定に保つための大切な働きがあります(Q1参照)。ところが、その汗を出す汗腺は次の原因で衰えていきます。

●冷房などに頼り過ぎた快適な生活により、汗をかく機会が減少。使われなくなった汗腺は徐々に衰える。

●老化による汗腺機能の低下。

汗腺が衰えると、必要なときにすぐに反応できなくなってしまったり、体に大切な塩分を体内へ戻す再吸収機能が低下し、夏バテや熱中症などにかかりやすくなります。

しかし、一度衰えた汗腺機能を「汗をかくトレーニング」により向上させ、体温の調節機能をよみがえらせることは可能です(コラム参照)。実践のポイントは次の通り。

●できるだけ涼しい時期にスタートし、通年継続する。

●ウォーキングや軽いジョギングなど、汗がじわっと皮膚ににじむ程度の強度で行う。

●目安は、1日20〜30分程度。翌日疲れが残らない程度の運動量にする。

●夏場は日中を避け、早朝や夕方などに行う。

●運動前、運動中、運動後はこまめに水分を補給する。

通常、10日から2週間ほどで汗腺の機能は再度、活性化するといわれています。こうした運動習慣に加え、規則正しい生活を心がけることが、夏を快適に過ごすポイントとなります。

運動によるメリット

  • 塩分の再吸収機能を改善

    汗腺 イラスト
    体に必要な塩分が汗と共に放出されるのを防ぐ。
  • 生活リズムを整える

    元気な女性 イラスト
    生活にリズムをつけることで、自律神経の働きを整える。ストレス解消や食欲増進にも有効。
  • 発汗反応の向上

    汗を拭く女性 イラスト
    汗の出方が早まり、必要なときに必要な量が出やすくなる。

トレーニングで汗腺はよみがえる

汗腺は使わないと衰えていきますが、適度な運動を継続的に行うことで再度、活性化することができます。この効果は高齢者でも見られ、右のグラフからも運動をしている高齢者は、若い世代と同じくらいの発汗量があることが分かります。運動は夏本番を迎える前のできるだけ早い段階で始め、無理のない範囲で1年間を通じて継続するようにしましょう。

高齢者の発汗反応 グラフ

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