脂質コントロールで血管のエイジングを防ぐ

Exercise運動でしなやかな血管を目指す

血管が硬くなるのを防ぐには、「1に運動、2に運動、3に運動」です! 動いて血流をよくすることが、血管ケアの最大のポイントといえるかもしれません。

カギを握るのは血流

「年をとれば誰しもキレイな血管ではいられません。それでも硬くなることを防ぎたい。それには内皮細胞が、血管拡張作用をもつ一酸化窒素(NO)を出し続けてくれるような生活をしていればいいわけです」と天野先生。

内皮ないひ細胞というのは、血管の最も内側にあり、血液と接しています。そこで重要になるのが、血流。血流がよいと内皮細胞がこすれて血管を拡張するNOを放出。これが動脈硬化の予防にもつながります。

血流をよくする一番の方法が、運動です。定期的に運動することによって中性脂肪が減り、HDLコレステロールが増えることが分かっており、逆に運動不足の人ほど、動脈硬化が進みやすいことも分かっています。だから厚労省も1に運動、2に運動、3に運動と言っているのです。運動で血流をよくし、しなやかな血管をキープしましょう。

運動でエストロゲンがアップ!?

運動をすると、女性でも副腎からアンドロゲンという男性ホルモンが分泌され、それがエストロゲンに変換されるという。閉経後でも運動をすれば、多少なりともエストロゲンが供給されるという、女性にはうれしい仕組みだ。さらに運動は、ストレス解消にもってこい。ストレスを受けるとコルチゾールなどのストレスホルモンが増え、LDLコレステロールや中性脂肪をコントロールする力が弱まり、数値を上げてしまう結果に。体を動かして、血流アップの習慣をつけよう。

血管は内膜、中膜、外膜の3つの層からできている。血液と直接触れる内膜には内皮細胞という細胞の層があり、この内皮細胞が血管や血液の状態を調節することで、血管はしなやかに、血液もスムーズに流れることができる。内皮細胞にコレステロールが付着したり、傷つけられたりすると調節機能が狂ってしまう。

有酸素運動と筋トレの組み合わせが最強!

血管対策としてはまず、有酸素運動から始めるのがおすすめ。そこに筋トレを組み込めば相乗効果が期待できます。運動時間は30分以上を、週3回以上が望ましいですが、時間がなければ10分×週3回でもOK。

寒い季節は心筋梗塞のリスクが高まる早朝などの時間帯は運動を避けましょう。

有酸素運動で脂肪を燃焼

有酸素運動は、体内に取り込んだ酸素を使って糖質や脂肪を燃焼しながらエネルギーをつくり出す運動のことで、比較的負荷が軽く、運動習慣のない人でも気軽に始められるのが魅力。有酸素運動を30分以上続けると脂肪をよりよく燃焼できるという。代表的なものが、ウォーキング、ジョギング、踏み台昇降、水中ウォーク、ゆっくりした水泳、エアロビクス、サイクリング、ゴルフなど。

筋トレでHDLコレステロール増

筋トレには、筋肉量を増やし基礎代謝を上げる効果がある。筋肉量が増えると筋肉の血液量が増え、その結果、インスリンの抵抗性が改善されて、HDLコレステロールがつくられる。また、筋肉は何歳からでも、たとえ80歳からでも、トレーニングをすれば、ちゃんとつくことが検証されているそうだ。自分の体力や運動能力に見合ったものから始めたい。

入浴を組み合わせればパーフェクト!

ゆったりと湯船に浸かれば、末梢血管まで血流が行き渡り、リラックス効果も抜群です。お湯の熱さは、リラックス神経の副交感神経が優位になるよう、ぬるめ(41℃くらいまで)に設定を。心臓への負担を考えると、湯の高さはみぞおちくらいまでがベスト。冬場は温泉もいいですね。古くから日本人にはなじみのある「湯治」は、理にかなった自然療法です。

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