早めの対策で快適に 花粉症対策

Q4

スギ花粉はいつ頃から飛び始めるの?

A. 冬から飛び始めて春にピークを迎えます

スギ花粉の飛散時期は、関東ではだいたい2〜4月末頃です。花粉をつくる雄花は夏に生長し、冬を越して気温が高くなり始めると開花して、花粉が飛び始めます。雄花1個につき40万個もの花粉が入っています。

夏の気温が高く日射時間が長いと雄花が大量につくられ、翌春の飛散量は多くなります。また、年明けの気温が高いほど、花粉の飛散開始時期は早くなります。さらに多く飛んだ翌年は、量が減る傾向にあります。

このように花粉の飛散量は気象条件と密接に関係があり、毎年変わるため、年によって花粉の飛び始める時期や量はかなり異なります。

例年立春の頃から徐々に増え、バレンタインデー辺りから顕著に飛散し始めます。しかし、立春前に一気に大量の花粉が飛ぶ年もあれば、飛び始めが遅れたり、2月中はほとんど飛ばず、3月に花粉の飛散が集中する年もあります。開始時期や期間が異なるだけでなく、ピーク時の飛散量も、年によって10倍の差があります。

スギ以外の花粉症原因植物

杉の木 イラスト

ヒノキ

国内ではスギに次いで植林面積が広い。スギ花粉の飛散時期終了後にも症状が継続する場合に、原因として疑われる。西日本に多い。

イネ科植物 イラスト

イネ科植物

晩春から夏にかけて、草地や道端などに生育するカモガヤ、オオアワガエリ、ハルガヤなどのイネ科の植物が花粉を飛散する。

ブタクサ・ヨモギ イラスト

ブタクサ・ヨモギ

秋に草地や道端、畑、林のへり、垣根などに生育するブタクサやヨモギなどが花粉症の原因となる。

スギ・ヒノキ花粉の年間飛散量の変化

鼻アレルギー診療ガイドライン2013(一部抜粋) 概ね、杉のピークが3月、ヒノキのピークが4月
Q5

花粉症対策はいつから始めればよいの?

A. 症状が出る前に始めましょう

花粉症によるアレルギー性鼻炎は、一度症状が出てしまうと鼻の粘膜がどんどん敏感になり、症状が強く出やすくなってしまいます。症状が出る前から薬をのむなどの対策をとり、粘膜を過敏にさせないようにしましょう。

基本的に薬は症状が出た時に使うもので、予防としては使いません。しかし、花粉症については他の病気と異なり、毎年同じシーズンに症状が現れることが分かっていて、原因もはっきりとしています。そのため、薬による初期予防治療が認められています。花粉症のシーズン前に薬をのみ始めれば、発症を遅らせたり、軽い症状で抑えたりすることができるのです。

以前は、2〜3週間前から薬をのみ始めるとされていましたが、現在は薬が改良され、約1週間前からでも間に合うようになりました。花粉情報をこまめにチェックし、飛散時期が来る前に診察を受け、症状に応じて処方してもらいましょう。

スギ花粉は2〜4月がシーズンですが、ヒノキは3〜5月、イネ科やブタクサなどは初夏から秋と、1年を通じて様々な花粉が飛散しています。スギ花粉の飛散時期以外にも症状が出る場合は、アレルゲンを特定する検査を受けるとよいでしょう。

初期治療(予防)の効果

飛散開始より1~2週間前に治療を開始することで重症度を大きく下げられる

花粉情報をこまめにチェックしよう

テレビで花粉情報をチェックするイラスト

テレビニュースや新聞の他、インターネットの花粉情報サイトも有効。

Q6

普段の生活でできる対策は?

A. マスクとメガネの着用や住環境の工夫です

花粉症治療の基本は、できる限り花粉を体内に入れないよう工夫する、セルフケアにあります。薬だけに頼らず、少しでも花粉から身を守りましょう。

最も有効なのは、マスクやメガネを用いて物理的に花粉が体内に入り込むのを防ぐ方法です。顔にフィットして隙間がないマスクを着用すれば、それだけで花粉を吸い込む量を6分の1まで減らすことができるとも。顔のサイズに合った立体型の花粉症用のマスクを選びましょう。また、目のかゆみが強い時は、花粉症用のメガネを使うのもおすすめです。

また、花粉の飛散時期は洗濯物や布団を屋外に干さない、窓を極力開けないようにし、室内への花粉の侵入を防ぎましょう。さらに加湿器を用いて適度な湿度を保てば、粘膜の保護や花粉の舞い上がりを防ぐなどのメリットもあります。規則正しい食事や睡眠を心がけ、免疫力の低下を防ぐことも大切です。

セルフケアの方法

  • マスク、メガネを用いて花粉が体内に入るのを防ぐ

    マスク、メガネの着用
  • 加湿器を使用するなど住環境を工夫する

    加湿器や部屋干し
  • 規則正しい生活、バランスのよい食事を心がけ、免疫力を下げない

    バランスの良いお弁当

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