ちょっと高めから要注意 高血圧対策
食生活の改善方法は?
A. 塩分を控え、カロリーオーバーに注意を
食生活の中で、血圧と最も関係するのは塩分です。塩の成分であるナトリウムが血液中に多くなると余分に水分を取り込んでしまい、血液量が増えることで血圧は上昇します。
高血圧の人の塩分摂取量の目標数値は1日6.0g未満、正常の人も男性で8.0g未満、女性で7.0g未満が理想です。ところが、「平成29年国民健康・栄養調査」では、日本人の平均食塩摂取量は男性で1日10.8g、女性で9.1gと、男女共に目標数値を上回っています。
まずは普段どのくらい塩分を摂取しているか見直すことから始め、徐々に薄味に慣れていきましょう。対策としては、塩分の多い煮物の汁や乾麺(カップ麺など)に注意する、塩味が薄くてもおいしさを感じさせる効果のある、酢やスパイスを用いるといったことも効果的です。加工品には既に塩分が多く含まれているので要注意です。できるだけ素材そのものの味を楽しむ食生活を心がけましょう。
肥満も高血圧を引き起こす原因の1つであることから、カロリーオーバーに気をつける、油脂や脂肪を含む食品の摂取を控える、野菜や魚を積極的に摂る、バランスのよい食事を心がける、といったことも大切です。
塩分が多い食品の例
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海鮮丼
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ラーメン
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きつねうどん
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梅干し
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はんぺん
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明太子
トクホを上手に活用しよう
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血圧の上昇を穏やかにする特定保健用食品(トクホ)のお茶が市販されています。正常高値血圧の人や血圧が気になり始めた人は、生活習慣の改善と併せてこのようなトクホ食品を取り入れることも1つの手。また、しょうゆ、みそ、塩などの調味料には塩分をカットした物もありますので、上手に活用しましょう。
食事以外に気をつけることは?
A. 運動や禁煙、ストレス解消など
血圧を下げるには食生活の改善と併せて適度な運動も大切です。継続的な運動によって心肺機能が高まると血液循環がよくなり、自然と血圧は下がっていきます。また、カロリー消費にもなるので、高血圧だけでなく生活習慣病全般の対策にも有効です。
運動以外では、次のことに気をつけましょう。
●適正体重を維持する
●禁煙する
●ストレスをためない
●睡眠をしっかりととる
アルコールは飲酒後一時的に血圧を下げますが、習慣的な大量の飲酒は血圧を上昇させるので、節酒を心がけましょう。1日の摂取量はビールであれば中瓶1本、清酒では1合までにとどめ、おつまみには塩分の少ないヘルシーな物を選ぶようにしましょう。
セルフケアで高血圧を予防しよう
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適度な運動
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適正体重の維持
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禁煙
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ストレスをためない
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睡眠
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節酒
軽めの運動を習慣にしましょう
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早歩きや軽いジョギング、ゆっくり泳ぐ、水中ウォーキングなど、軽めの有酸素運動を毎日、合計30分以上行うことを目標にしましょう。1日1時間以上行うのであれば、週3回でも効果があります。ただし、受診中の人は医師の指導に従いましょう。
血圧は普段から測ったほうがよいの?
A. 血圧管理は健康のバロメーター
血圧測定は自分の健康状態を知る手がかりになります。高血圧の人はもちろん、次のような人は普段から家で血圧を測り、記録する習慣をつけましょう。
●正常高値血圧である
●ストレスが多い
●家族に高血圧の人がいる
●肥満
●塩分摂取量が多い
Q3コラムでも紹介した通り、時間や環境によっても血圧は変化するため、できるだけ決まった時間に同じ環境で測るようにします。また、1回ごとの数値で一喜一憂するのではなく、比較する際は、連続する5~7回の平均値を見るようにしましょう。
血圧を記録する際は、前日食べた物や体調などを併せてメモしておくと、普段よりも数値が上がった時にその原因が分かるようになります。
記録したデータは受診の際に持参しましょう。
高血圧でなくても測定の習慣を
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正常高値血圧
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ストレスが多い
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遺伝
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肥満
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塩分摂取量が多い
血圧測定の方法
血圧計の選び方
●1番正確とされる上腕に巻くタイプがおすすめ。
●実際に操作してみて、1番使いやすい物。
測るタイミング
1日2回(3回測ると、よりよい)。1~2分座って安静にした後。
【朝】起床後1時間以内・排尿後・朝食前
【夜】寝る前 ※高血圧の薬を服用する前
※余裕があれば2分後に再度測り、全てを記録する。
白衣高血圧と仮面高血圧
普段、自宅で測定すると正常値なのに、病院や健康診断では緊張や不安によって数値が高くなる人がいます。これを「白衣高血圧」といいます。高血圧ではありませんが、将来高血圧になるリスクが高いので、気をつけましょう。逆に見逃されがちなのが、病院や健康診断では正常値で、自宅や職場で測ると高い「仮面高血圧」。仮面高血圧には早朝高血圧、夜間高血圧、ストレスによる高血圧(職場高血圧など)などがあり、治療が必要です。