肌トラブルを回避!正しい紫外線ケア

Q9

うっかり日焼けをしてしまったら?

A. 日焼けはやけど。冷やして炎症を抑えましょう

日焼けは症状が軽くてもやけどの一種なので、まずは冷やして皮膚の炎症を抑えることが肝心です。日焼けした部分にタオルにくるんだ保冷剤や氷水を入れたビニール袋などを当て、ほてりがある程度治まるまで冷やし続けます。日焼けした範囲が広い場合は、冷たいシャワーを浴びたり水風呂に浸かったりするのもよいでしょう。冷やした後は、保湿剤を塗って皮膚の乾燥を防ぎます。水ぶくれができた場合は、潰してしまうと治りにくくなったり、細菌感染によりただれたりするケースがあるので、潰さないようにして同様のケアを行いましょう。

ひどい日焼けをした後は強い痛みが起こったり、熱が出たりすることもあります。症状が治まらない場合は、自己判断で市販の軟膏などを塗ることは避け、早めに皮膚科を受診しましょう。また、子どもがぐったりして熱がある場合や脱水症状がある場合は、できるだけ早く医療機関を受診させましょう。

日焼け後のケア

  • 冷やす

    日焼けした部分にタオルにくるんだ保冷剤や氷水を入れたビニール袋などを当てる。1回10~15分ほどを、時間をおいて繰り返すとよい。

  • 症状が強い場合は皮膚科ヘ

    痛みが強かったり、発熱などの全身症状があったりする場合は早めに受診。脱水症状を起こしやすい状態なので、水分補給も大切。

Q10

サンオイルは日焼けを促す物なの?

A. 日焼け止めの一種です

サンオイルは広くいえば日焼け止めの一種で、日焼けを促進する物ではありません。日焼け止めが紫外線をブロックして日焼けや肌老化を防ぐことを目的としているのに対し、サンオイルは肌のサンバーン(UVBによるやけど状態)を防ぐことを主目的とします。肌のダメージを軽減しながら、日焼けしたい人向けの製品といえます。

Q11

シミは消すことができるの?

A. 機能性化粧品やレーザー治療などがあります

光老化によるシミは、本来治療の必要はありません。しかし、美容的に気になる場合は治療を検討するとよいでしょう。皮膚科で行われる治療は保険適用外になりますが、機能性化粧品(成分としてハイドロキノン、ビタミンC・Eなど)を用いる方法や、機器を使った治療(レーザー治療、光治療)があります。治療方法や効果について医師からよく説明を受け、納得して選択するようにしましょう。なお、いったん治療をしても、再発はいつでもあり得るので、引き続き紫外線ケアを心がけることが大切です。

また、市販の機能性化粧品(いわゆる美白化粧品)を用いるのも一つの方法です。ただし、毎日使い続けることでシミを薄くしたり、これ以上濃くならないようにしたりする効果はある程度期待できても、完全に消すことは難しいと心得ておいたほうがよいでしょう。

皮膚科で行われるシミの治療

  • 機能性化粧品

    成分としてハイドロキノン、 ビタミンC、ビタミンEなど

  • 機器を使った治療

    レーザー治療、光治療

Q12

60代以上に多い皮膚疾患「日光角化症」とは?

A. 皮膚がんに移行することもある前がん病変です

60代以上に多い皮膚疾患に、紫外線を長年浴びたことによる日光角化症があります。顔面や頭部に直径1~2cmほどの紅斑やかさぶたができるもので、治療が遅れると皮膚がんに移行することもある前がん病変(がんになる一歩手前の状態)の一つです。痛みやかゆみを伴わないため、単なるシミのようなものと放置されがちですが、疑わしい症状がある場合は早めに皮膚科を受診しましょう。また高齢者の場合、本人が気にしないケースが多いので、家族が気をつけて肌の状態を見てあげてください。

監修 檜垣 祐子先生

檜垣祐子 写真

ひがき・ゆうこ 若松町こころとひふのクリニック院長

1982年東京女子医科大学卒業後、同大学皮膚科に入局。84年よりスイス・ジュネーブ大学皮膚科に留学。その後、東京女子医科大学皮膚科助教授を経て07年より東京女子医科大学附属女性生涯健康センター教授。17年2月より現職。医学博士。専門はアトピー性皮膚炎、皮膚科心身医学。著書に『皮膚科専門医が教える やってはいけないスキンケア』(草思社)など。

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