長引く鼻水・鼻づまり 副鼻腔炎

Q7病院での検査や治療は?

A. 重症度により保存療法や手術を行います

副鼻腔炎の検査では、まずは問診を行った上で、画像検査を行います。より詳しく診るため内視鏡検査を行う場合や、副鼻腔炎のタイプを調べるために血液検査を行うこともあります。

●問診
どんな症状がいつから起こっているのかを、詳しく聞き取る。
●画像検査
副鼻腔炎のタイプを知るために、X線検査、CT(コンピュータ断層撮影)検査などの画像検査を行う。
●内視鏡検査
内視鏡を使い鼻たけの有無などを調べる。
●血液検査
アレルギーの有無や副鼻腔炎のタイプを知るために、好酸球が増えているかを調べる。
治療法は主に局所療法と薬物療法を組み合わせて行い、効果が得られない場合は手術を検討します。重症の場合は先に手術をすることがあります(左図参照)。
●局所療法
鼻水の吸引や、生理食塩水による鼻洗浄の他、抗菌薬を霧状にして局所に噴霧する(ネブライザー治療)。
●薬物療法
タイプに合った薬剤を用いる(Q8参照)。
●手術
内視鏡手術が主流。内視鏡を用いて鼻の穴から副鼻腔を開き、炎症を起こした粘膜を切除する。1週間程度の入院が必要。

慢性副鼻腔炎の治療の流れ

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Q8どんな薬で治療をするの?

A. マクロライド系の抗菌薬などを使います

副鼻腔炎は、タイプによって使用する薬が異なります。

●好中球性副鼻腔炎
マクロライド系の抗菌薬を服用する。慢性の場合は、少ない量を2~6カ月服用し続けることで、抗菌作用以外にも様々な作用により高い治療効果が得られる
●好酸球性副鼻腔炎
好酸球の働きを抑制するステロイド薬の点鼻薬を用いる。腫れが強い場合は、経口薬を用いる場合もある。

特に好酸球性副鼻腔炎は再発しやすいため、症状が改善されても自己判断で薬をやめず、医師の指示に従うことが大切です。
感染により症状が悪化した場合には、抗菌薬(ペニシリンなど)や、鼻水をサラサラにして排出しやすくする粘液溶解薬を使うこともあります。

マクロライド系抗菌薬の作用

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慢性副鼻腔炎のCT所見

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Q9再発や慢性化を予防するためには?

A. 鼻洗浄などで清潔を保ちましょう

副鼻腔炎の再発や慢性化を予防するためには、毎日の生活の中で、次のセルフケアを行いましょう。

●こまめに鼻をかむ
鼻水には、ウイルスや細菌、好酸球が含まれている。鼻腔にたまったままだと炎症の原因になるため、決して鼻をすすらず、こまめにかんで鼻の清潔を保つ。一度に強くかまず、片方ずつ、何度かに分けて少しずつ押し出すようにかむ。粘りが強くて鼻をかみ切れない時には、鼻洗浄をする。
●鼻洗浄をする
鼻の中にたまった鼻水を取り除くことで、鼻の粘膜が本来もつ生理機能を回復させる。鼻づまりも改善される。かぜによる鼻水や鼻づまりにも効果がある。

鼻洗浄の仕方

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