積極的に治す!サヨナラ筋肉痛

筋肉痛の予防とケア

筋肉痛を予防し早めに治すポイントは、
筋肉に十分な栄養と水分を与えることです

筋肉を動かす
エネルギーをつくるために

運動前の食事について、宮川先生はこう考えます。

「運動をする前は、活動に必要なエネルギーを蓄えておくほうがよいです。何を食べるかですが、ご飯にみそ汁、干物といった日本の典型的な朝ご飯を思い浮かべてみてください。エネルギーとなる炭水化物や、筋肉の合成に必要なタンパク質が豊富に含まれ、栄養的には素晴らしいメニューです。食べる量は腹八分目に。何も食べない、水分を控えるというのは、筋肉にとってもよくありません」。

タンパク質は筋肉をつくる主成分であり、筋肉を動かすエネルギーとして欠かせない栄養素です。タンパク質を多く含むのが肉類、魚介類、卵、乳製品、豆類。1品目だけを大量に摂るのではなく、穀類や野菜と組み合わせて、バランスよく食べるのが肝心です。筋肉を動かす力を生み出し、補うためにも、食事はきちんと摂りましょう。

血液循環をサポートする
水分摂取を怠りなく

筋肉痛の原因となる循環不全を回避するためには、水分の補給が重要。余分な水分は体が調整して排出するため、摂り過ぎの心配よりも不足しているほうが危険です。

特に夏場は注意が必要です。「のどが渇いた」と思ったら、すでに体は水分不足の状態。体にきちんと水分を吸収させるためには、一度に大量に水分を摂らず、200㎖程度をこまめにゆっくり飲むことが効果的だとされています。

飲む物はミネラルウォーターやナトリウムを含むスポーツドリンクなどを。ただし、スポーツドリンクには糖分が多く含まれているので摂り過ぎには注意が必要です。水分だけでなくビタミン類を補給できる柑橘(かんきつ)類も摂るよう心がけましょう。

さらに過度な運動や慣れない運動をした日は、しっかり睡眠をとることも大事。当たり前のことが、筋肉痛の予防には欠かせないケアなのです。

運動前

朝食をきちんと摂る

運動をする日は、朝食を摂ることが鉄則。筋肉の働きをよくするためにはアミノ酸、カルシウム、リンといったミネラルが必要。運動後も使ったエネルギーを補給することで、筋肉を労わろう。

食事イメージ

日本の朝ご飯に欠かせないみそ汁。定番の具であるアサリやシジミなどの貝類には、疲労回復効果のあるタウリンが豊富に含まれている。筋肉疲労の回復や筋肉痛の予防のために、タウリンが配合されているドリンク剤を飲用することも、有効な手段の1つ。

運動中

水分をこまめに補給

特にアウトドアではトイレを気にして、水分補給を控えがちに。運動前は必ず水分を摂り、運動中もこまめに補給。また、運動後は失った水分を取り戻す必要があるため、のどの渇きを感じていなくても、しっかり水分を補給しよう。

運動後

血行をよくする

運動で筋肉が疲労すると、血流が悪くなり、酸素や栄養を十分に運べなくなります。使った筋肉を優しくもみほぐし、血液やリンパ液の流れを促そう。体が温まって血流がよくなっている入浴中やお風呂上がりのマッサージは効果大。ただし強くもむと逆に筋肉を痛める可能性があるので、強くもみ過ぎないように注意を。

しっかり睡眠

睡眠中に分泌(ぶんぴつ)される成長ホルモンは、運動で損傷した筋肉を修復してくれます。筋肉の疲労回復のためにも、質のよい睡眠をとりたいところ。それには自分の体に合った硬さの寝具を選ぶことも重要。これを機に寝具や枕を見直してみよう。

ウォーキングイメージ

筋肉痛があっても、ウォーキングのような軽い運動は続けたほうがよい。痛みのある部位を動かすことで血液循環がよくなり、治りも早くなる。

筋肉痛が遅く出るのは年のせい?!

年をとると筋線維の修復に時間がかかるようになるため、筋肉痛が現れるのが遅くなるという説があるが、筋肉痛の発生には個人差があり運動の負荷によっても異なるため、加齢現象とは言い切れない。ただ加齢によって筋力が低下するのは確かなので、やはり普段から運動をして筋肉を鍛えておくことが大事。

痛みが出たら……

痛みを緩和するために、湿布薬やローション剤、スプレー剤などを利用するのも手。湿布薬を貼りにくい場所やテープのかぶれが心配な場合は、ローション剤やスプレー剤がおすすめ。

スプレー剤

シュッと一吹きで、心地よい清涼感。すぐ乾くのもうれしいスプレー剤。

湿布薬

痛む部位に貼るだけで、長時間効果が続く湿布薬。

こんな時は病院へ

動かすと痛む程度の筋肉痛なら湿布も有効だが、動かさなくても痛みが続く場合は整形外科を受診しよう。筋肉を鍛えるにしても、自分に合った負荷かどうか、見極めながら行うことが大切です。

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