腸内ケアで眠りの質を高めよう

Q3和食が快眠に役立つのはなぜ?

A. 善玉菌を活性化させる食材が多いためです。

1日3回の食事は体内リズムを整えるだけでなく、腸内細菌を活性化させる唯一の方法です。腸内細菌が元気になり、善玉菌も優勢になると、腸の消化・吸収力が高まり、メラトニン生成の助けになります。そこでおすすめなのが一汁三菜を基本とした和食です。

和食には漬物や納豆、みそ、しょうゆ、酢といった善玉菌を多く含む発酵食品や調味料が使われています。また、善玉菌のエサとなる 食物繊維をたっぷり含んだおかずが数多くあります。発酵食品の中でも日本伝統の物には、日本人が昔から腸の中で育て続けてきた細菌の仲間が豊富に生きているため、腸内に馴染みやすいといえます。他にもヨーグルトやチーズ、キムチなど様々な種類の発酵食品を食べることで、善玉菌は活性化しやすくなります。善玉菌が優勢になると日和見菌が加勢し、腸内フローラが良好な状態に変わっていきます。

ただし、腸内細菌によいからといって同じ物ばかりの偏った食事は、腸内細菌のバランスを崩し、腸内フローラの脆弱を招きます。また、保存料や食品添加物を含む加工食品などは腸内細菌や腸粘膜を弱らせるので、できるだけ控えましょう。旬の食材を取り入れ、栄養バランスのとれた食事を心がけながら、発酵食品や食物繊維を含む食材を多めに摂ることが大切です。

腸内細菌が喜ぶ食事の一例

みそ汁、漬物、納豆は善玉菌を元気にする発酵食品の代表格。みそ汁や惣菜に野菜や海藻類、根菜などをたっぷり入れると、食物繊維を摂りやすくなります。焼き魚や豆腐などの大豆製品はメラトニンの原料にも !

Q4現代人の腸内細菌の数が減っているって本当?

A. 腸内細菌は減少傾向で〝腸もれ〟の人が急増しています。

日本人の便の量を見ると、腸内細菌の数は年々減少傾向であることが分かります。便の大半は腸内細菌や腸からはがれ落ちた粘膜細胞なので、大きな便ほど腸内フローラが豊かで、丈夫な腸壁が築かれていたといえます。ところが、現代の日本人の便は150〜200グラムが一般的。戦前の人の半分から3分の1ほどまで少なくなっているのです。その背景には、食物繊維の摂取量の減少があります。

腸内細菌の減少は、全身に様々な影響を及ぼします。中でも、今最も注目されているのが「リーキーガットシンドローム」(腸もれ症候群)。腸の細胞同士の結合が緩み、目に見えない穴が開いてしまう状態のことです。腸内細菌の減少などにより、腸管バリアの強化や腸細胞の新陳代謝を促す働きが弱まってしまうために起こります。

細胞間の穴から未分解の栄養素などがもれ出すと、免疫システムが反応してしまい、炎症やアレルギーなどを引き起こす原因になります。食物繊維の多い食事を心がけ、腸内細菌を増やすことが改善の第一歩です(Q3参照)。

Q5腸の働きを整えるには

A. 市販の整腸剤を活用するのも一案です。

腸内細菌を活発にして腸の働きを正常に保つには、日頃の食生活が大切です。しかし、食事だけでは改善できず、下痢や便秘といった不調に悩む人も少なくありません。下痢は善玉菌まで排出してしまい、便秘は悪玉菌を増加させる原因になることから、腸内フローラに打撃を与えます。腸の不調は睡眠の質にも関係してくるため、早めに改善することが大切。そのために、整腸剤を活用するのも一案です。

整腸剤は、善玉菌の代表格である乳酸菌などを配合しているため、効率よく腸を整えるサポートをします。

また、加齢に伴い腸内細菌は自然に減少する傾向にあるので、腸の不調が気になる人は、毎日の食事に加え、整腸剤で腸の働きを整えましょう。

関連記事