漢方の知恵で女性の疲れを解消!

漢方における“疲れ”は
「気」や「血」が不足した状態。

健康状態をみる「けつすい

漢方では、「気・血・水」を体の構成要素と考え、この3つのバランスが整っている状態を〝健康〟と考えます。「気」は生命活動の源となるエネルギー、「血」は血液、「水」はリンパ液や汗などの体液を意味しています。疲れは主に「気」や「血」が不足した状態です。

検査値に異常はないが「疲れやすい」「疲れがとれにくい」といった不調段階(未病)から治療に取り組めるのが漢方の特徴です。漢方が疲れにアプローチする場合、まずは不足分を補うことからスタート。最終的には、「気・血・水」の3つがバランスよく体内を巡ることを目指します。

「気・血・水」のいずれかに過不足があると、3つのバランスが乱れ、心身に何らかの不調が現れることに。

これからは賢く力を抜いて頑張る!

疲れ対策のキホンは、睡眠

「気・血・水」は同列かというと、違います。「血」や「水」はいわゆる物質。物質を動かすにはエネルギーが必要です。そのエネルギーとなるのが「気」で、一番重要。疲れのケアとしては、不足した「気」を補うことが何より優先されます。

「漢方では、『気』を補うものは〝食事〟と〝睡眠〟と考えています。この2つのうち、優先すべきは睡眠。疲れている時は胃腸が弱っていることも多く、そこで無理に食べると消化・吸収のためにエネルギー(気)をつかってしまい、かえって疲れを助長してしまう可能性もあります」と木村先生。

多忙な日が続いた後や、月経中などの疲れやすい時は、意識的に早く床に就き、普段よりも長く睡眠をとってエネルギーをチャージするようにしましょう。

疲れを感じないのは危険!?

「疲れを感じているうちは、まだよいほうです。疲れが慢性化すると、疲れに対して鈍感になり、疲れを感じにくくなってしまいます。また、疲れそのものよりも、冷えや肩こり、胃腸の不調、頭がボーッとするなど、多様な症状を訴えるように。こういった様々な症状の背景に、疲れが隠れていることが多いのです」と木村先生。

疲れが慢性化すると虚弱状態が進行し、気力がなくなり、体も思うように動かなくなり、年齢以上に老け込んだ感じになってしまう恐れがあると言います。また、抑うつ状態など精神面にも悪影響を及ぼしてしまうこともあるそうです。

そうならないためにも、疲れはこまめに解消することが大切です。その日に消耗したエネルギー(気)は、その日のうちに十分に睡眠をとってチャージすることを心がけましょう。

無理して頑張らないのがコツ

「女性は体のピークを過ぎた30代半ば以降は、エネルギー(気)の無駄づかいをしないこと。具体的には、家事も仕事も何でも100%こなそうと思わないことです。10代や20代の頃よりエネルギー(気)は確実に小さくなっています。何事も力任せで行うのではなく、経験に基づき、常に物事に優先順位をつけることが大切です。今、一番やるべきことは何かを考えて、意識して力を抜くことがポイントです。頑張ることがよいことだと思っている人は発想の転換が必要です」。

オトナの女性は、無理して頑張らないのが疲れないコツ。これは老化の予防にもつながります。賢く力を抜いて、明日の元気をつくりましょう!

秋バテ解消にも、やっぱり睡眠!

暑い夏が過ぎ、朝晩はようやく涼しくなったと思う頃にやってくる「秋バテ」。夏に冷たい飲食物を摂り過ぎて胃腸を酷使したこと、熱帯夜で十分に睡眠がとれなかったことが主な原因と考えられます。この秋バテ解消には食事と睡眠、両方からのアプローチを。食事では、胃腸をいたわり温かい物を食べるよう心がけるのがポイントです。残暑が厳しい時期でも週1回は胃腸ケア日に。冷房を利かせた部屋で食べるなどの工夫をし、温かい物を食べましょう。睡眠に関しては、夏の疲れをリセットする1週間を設け、普段より少し早く眠ってみるとよいでしょう。体の自然なリズムとして、夏よりも秋のほうが睡眠時間は長くなります。そのリズムに従い、秋はしっかりと睡眠をとることが1年を通した健康に役立ちます。

関連記事