自分で健康を守る よくわかるコレステロール対策

「コレステロール値が高い人は、血液に“脂”が溜まった状態です」
健康診断の結果で一喜一憂する人が多い「コレステロール値」。でも、その正体は? なぜ上がるの? 何をどうすればいい? 正しい知識やコントロール方法などについては、知らないことも多いのも事実です。そこで今回は「コレステロール値が高め」と注意されたときに必要な知識や対策をアドバイスいたします。
監修 寺本 民生 先生

てらもと・たみお医学博士。1973年東京大学医学部卒業。帝京大学医学部学部長等を経て2013年寺本内科歯科クリニック開業。専門分野は、内分泌、代謝、動脈硬化。日本動脈硬化学会理事長、日本成人病(生活習慣病)学会理事等なども務める。診療ガイドラインなど著書も多数。
なぜ私がコレステロールに注意?
「まず、生活習慣をチェックしてみてください」

最近、定期検診や健康診断でコレステロール値の異常を指摘される方が増えています。じつは、血液の中に溶けこんでいるコレステロールや中性脂肪などの“脂”は、体には必要なもの。ただし、適正量を超えると、体に悪影響を及ぼす存在となります。まずは、血液に“脂”が溜まりやすい生活を送ってないかチェックしてみてください。
チェックしてみましょう
血液に脂が溜まってない?
- 1日にたばこを10本以上吸う
- 太り気味で、特にお腹周りに脂肪がついている
- 運動はほとんどしていない
- 睡眠不足を感じることが多い
- 野菜を意識的に食べる習慣がない
- 食事時間が不規則で、夜9時以降に食べることが多い
- ケーキやクッキー、乳脂肪分やトランス脂肪酸の多いお菓子が好きで、よく食べる
- よく深酒する
- 血圧が高い、または血糖値が高い
- 女性で閉経している
3つ以上該当した人は血液の脂質濃度が高い可能性があります。「1日にたばこを10本以上吸う」の欄にチェックした人は1つでも要注意です。

「脂質異常症」ってどんな病気?
「血液中のコレステロールや中性脂肪が適正値を超えた状態です」
LDL(悪玉)コレステロールが増え過ぎたり、HDL(善玉)コレステロールが少な過ぎたりして、数値が基準値を外れると「脂質異常症」と診断されます。脂質異常症には「LDLコレステロールが高い」「HDLコレステロールが低い」「中性脂肪が高い」の3タイプに分けられます。

脂質異常症の診断基準
(いずれも空腹時に採血)
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LDLコレステロール
140mg/dL以上……高LDLコレステロール血症
120〜139mg/dL以上……境界域高LDLコレステロール血症 -
HDLコレステロール
40mg/dL未満……低HDLコレステロール血症 -
中性脂肪(トリグリセライド)
150mg/dL以上……高トリグリセライド(中性脂肪)血症

何が原因?
「1つとは限らず、複数の原因が影響し合っています」
脂質異常症の要因は、食生活の欧米化、喫煙、ストレス、運動不足などさまざま。どれか一つというよりも、複数の要因が影響し合い、基準値を外れる場合が多いようです。
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❶食生活や生活習慣の乱れ
食事の時間や回数が不規則。食事の内容も野菜が少なく、揚げ物、脂身の多い肉など、高脂肪・高カロリーなものを食べ過ぎると、血液中の脂質が悪化します。 -
❷体質
遺伝的にコレステロールを分解するしくみが働かない人がいます。親や血縁者に高LDLコレステロール血症の人がいる場合は遺伝が原因である可能性が高いです。 -
❸病気
糖尿病、腎臓病、肝臓病や、服用中の薬が原因で、血液中の脂質が悪化することがあります。なお糖尿病はインスリン不足で脂質濃度が高くなることがあります。 -
❹加齢
女性は閉経すると、コレステロール値を正常に保つ働きのある女性ホルモン・エストロゲンの分泌が減少することで、LDLコレステロール値が上昇しやすくなります。
