体の中から健康に! 腸内環境を整える

心身の健康に深くかかわる器官として、近年、注目を集めている〝腸〟。
腸が私たちの体にどんな影響を与えているか一緒に学びましょう。
小林メディカルクリニック東京院長
小林 暁子 先生

こばやし・あきこ 順天堂大学医学部卒業。順天堂大学総合診療科・女性専門外来での診療経験をもとに、便秘外来、内科、皮膚科、女性専門外来のクリニックを都内に開業。特に便秘外来は人気で、現在まで1万5000人を超える便秘に悩む患者の治療に当たっている。

腸内年齢チェック
- A 黄土色
- B 茶色またはこげ茶色
- C 黒に近い茶色
- A 太く長いバナナのような形
- B バナナより小さめ、あるいは細め
- C 水っぽく泥状
- A ほぼ毎日
- B 3~5回
- C 2回以下
- A 毎日ほぼ同じ
- B 時々ずれることがある
- C 不規則
- A いいえ
- B 時々ある
- C よくある
- A いいえ
- B 時々強い
- C いつも強い
- A あまり感じない
- B よく感じる
- A 必ず食べる
- B 食べないことが多い
- A 野菜を中心に考える
- B 肉を中心に考える
- A ほぼ規則的
- B 不規則
- A はい
- B いいえ
- A 意識的につくっている
- B あまりない
腸内年齢を算出してみましょう!
Q1~12で自分に当てはまる選択肢を選び、点数を合計。その点数に実年齢を合算することであなたの腸内年齢が分かります。
Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | Q5 | Q6 | |
A | -3 | -3 | -3 | -2 | -2 | -2 |
B | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
C | 3 | 3 | 3 | 2 | 2 | 2 |
Q7 | Q8 | Q9 | Q10 | Q11 | Q12 | |
A | -1 | -1 | -1 | -1 | -1 | -1 |
B | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
実年齢より上だった人
腸の老化は全身の不調のもと。今日から腸内環境の改善を始めましょう!
実年齢より下だった人
現状維持から、さらなる若返りを目指して腸内ケアを!

腸のエイジングと生活習慣
腸の老化は、腸の働きの低下だけでなく、全身の不調にも結びついてしまいます。 老化を食い止めることが、全身の健康につながります。
個人差がある腸内年齢
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毎日忙しくて、たまったストレスを解消する暇もない。外食が多くて、食事も不規則になりがち。
元気がなくて
働きの悪い腸 -
朝は早起きして、食事は3食きちんと摂る規則正しい生活。野菜や魚を中心とした昔ながらの和食が多い。
若々しくて
活発に働く腸
生活習慣が腸内年齢に影響する
「クリニックに訪れる患者さんの腸を数多く診ていますが、20代や30代でもかなり老化した腸の人もいれば、年配の方でも、若い年代より腸が若々しいという人もいます」と、小林メディカルクリニック東京院長の小林暁子先生は言います。
先ほどの腸内年齢チェックからも分かるように、腸の老化は生活習慣などにより、進行や程度にはかなりの個人差があります。実際、基礎疾患(しっかん)を患っていない限り小腸の粘膜は細胞分裂が活発で、新しい細胞を次々と生み出します。そのため他の器官と比べ、加齢による変化は起こりにくいといいます。
腸を老化させる生活習慣とは、ストレスの多い生活や不規則な食生活、食物繊維や運動の不足などです。これにより、腸内環境が悪化。腸の働きを低下させてしまうのです。
腸内環境は、善玉菌と悪玉菌、日和見(ひよりみ)菌の3つの腸内細菌のバランスでつくられています。善玉菌は免疫力を高めたり、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして排便を誘発するなどのよい働きをし、一方、悪玉菌は病気や体調不良などの悪い影響を及ぼすとされます。日和見菌は、腸の状態によって強いほうの菌に加勢する特徴があります。
腸内環境を善玉菌優勢に維持することが、腸の老化予防に。腸を整える生活習慣を心がけることで、幾つになっても若々しい腸をキープしましょう。
年代・性別リサーチ
腸を老化させる原因を探れ!
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10代女性のケース
朝は慌ただしくて自宅でゆっくりトイレに入れない。とはいえ、学校で便意を催しても恥ずかしくて行けないという難しい年頃。そのような生活習慣から便秘が日常化してしまう場合も。無理なダイエットで腸内環境が悪化するケースも見られる。
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20~30代男性のケース
20代前半は就職など環境が変化して、何かとストレスがたまりやすい頃。過敏性腸症候群に悩む人が多いのもこの年代の特徴。30代半ば以降になると自律神経の機能自体が低下し始め、男性も便秘をしやすくなる。
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20〜30代女性のケース
社会では責任ある仕事を任されるようになり、仕事と家庭の両立などでストレス要因が増える頃。忙しさから生活リズムも乱れやすく、腸内環境悪化の原因に。女性ホルモンの影響で、生理前などは特に腸の働きが鈍くなり、便秘が起きやすい。
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中高年女性のケース
40代後半からは更年期に突入し、女性ホルモンの影響を大きく受けやすくなる。ホルモンバランスの乱れから交感神経が優位になりやすく、腸の働きが低下しやすくなる。それにより、便秘になるケースが見られる。
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中高年男性のケース
仕事中心の生活になりやすく、不規則な生活、飲み過ぎや食べ過ぎ、運動不足などの生活習慣の乱れが顕著な世代。それにより腸内環境が悪化しているケースも。また、ストレス由来の胃腸の不調に悩む人も多い。
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シニア女性のケース
基本的には規則的な生活を送っている人が多く、腸を健やかに保ちやすい年代。しかし、一方では不眠に悩み、睡眠薬や睡眠導入剤を常用している人も少なくない。これらの薬は腸の働きに悪い影響を及ぼすため、便秘や下痢を招きやすくなる。