ゆをみ Vol.75

特集

手足の先までポカポカに“ZEN呼吸法”で温めよう!

心身を温める腹式呼吸を用いた “ZEN 呼吸法”をマスターし、
血の巡りをアップ。 女性だけでなく男性も
冷え知らずの体を目指しましょう。

椎名由紀 呼吸アドバイザー しいな・ゆき 高校時代から悩まされていた様々な不調を、江戸 時代の禅僧・白隠の呼吸法で克服。その後「ZEN呼吸法」として 確立し、レッスンや著書を通して普及に努めている。

1 姿勢をつくる

立った姿勢で腹式呼吸をするのは難易度が高め。まずは初心者でも行えるよう、座った状態で呼吸がしやすい姿勢をつくりましょう。

仕事や家事に追われ、ストレスや緊張を抱えたまま過ごして いると、体(筋肉)や心がガチガチに固まってしまい、血流も 悪くなって冷えや肩こりなどの不調を招いてしまいます。そこで今回紹介するのが、江戸時代 の禅僧が残した呼吸法を基に、呼吸アドバイザーの椎名由紀先生が確立した「ZEN 呼吸法」です。

「ZEN呼吸法は、横隔膜を動かす腹式呼吸で十分な酸素を体に取り込み、心身の緊張をほぐします。筋肉も緩むので血行 がよくなり、体が温まります。また、お腹(内臓)をしっかりと動かすことも、血行促進につながります」と椎名先生。横隔膜を上下にしっかり動かすには、まず正しい姿勢をつくることが大切です。ポイントは、上半身の力を抜き、下半身 にどっしりと力を入れること。

「立っていても座っていても、肋骨から上に力が入っていない、ぷるんとしたプリンになった状態をイメージしてください。ZEN 呼吸法はこのようなイメージをもって行うことも重要です」。朝に5~10分ほど、左記を参考に ZEN呼吸法を行う時間をつくるとよいでしょう。全身の血流がよくなり、体がじんわりと温まってきます。

基本の姿勢…横から見た時に、背中と椅子の座面が直角になるのが理想。 これはNG…背中が反ってしまうのはNG。腰に負担がかかり腰痛や便秘の原因に。 姿勢の正し方…1.親指と人さし指でL字をつくり、胸の下の突き出た肋骨をグッと押す。2.突き出ていた肋骨が真っ直ぐになると、自然と正しい姿勢になる。 Point…「坐骨」をつけて座る 座った状態でお尻の下に手を敷いてみてください。お尻の下の出っ張っている骨が「坐骨」で、座るために体を支えてくれる骨です。椅子に坐骨がしっかりとついていればOK。坐骨の真上に体をドンと乗せるイメージで座りましょう。すると、上半身の力が抜けて、ラクな状態で美しい姿勢をキープすることができます

2 呼吸の仕方

呼吸は吐くのが先。吐き出した分だけを吸うのがポイントです。横腹に手を当て、吐く時はお腹がへこみ、吸った時に膨らんでいればOK。

前から見た姿勢…膝はくっつけずに少し離す。慣れるまでは、数を数えながら行うのがおすすめ。「ひとーー」と声を出しながら息を吐き、「つ」で息を吸う。1から10までゆっくりと数える。 横から見た姿勢…鼻の下にろうそくがあり、その火が揺れないイメージで呼吸する。息は大きく吐く必要はありません。静かにゆっくりとした呼吸を心がける。
初心者向け特別レッスン どうしても腹式呼吸が難しいという人は、次のやり方を試してみましょう。 体を傾ける…体を30度傾けると、下半身に体重が乗るため横隔膜が動きやすくなります。 和式トイレ座り…和式トイレ座りをすると、自然と下半身に力が入り、上半身の力が抜けた状態になるため、腹式呼吸がとてもしやすい状態に。足腰も鍛えられる最強のポーズです。

なるほど!免疫講座

皆さまからのご要望にお応えしてスタートした免疫についての連載企画。前号では、日常生活に潜む免疫力低下の原因についてご紹介しました。今号ではストレスコントロールについてお伝えします。

おくむらこう先生 順天堂大学医学部名誉教授

第4回 免疫力を低下させないストレスコントロール

ストレスをため込まないコツ 喜怒哀楽を素直に表現する…素直な感情を我慢し過ぎないこと。悲しい時は思い切り泣くことでストレス解消にも役立つ。 体を動かす…体を動かすと自然と気がまぎれ、血流もよくなり、自律神経が整う。ただし激しい運動はNG 前向きな気持ちをもつ…気分がよくなることをイメージしたり、自分自身をほめたり、明るく前向きな人とつき合ったりする。 ビタミンCのパワーを活用…ビタミンCにはストレスへの抵抗力を強める働きがある。水溶性で調理の際に失われやすいので、そのままや汁ごと食べる料理法がおすすめ。 マインドフルネスを取り入れる…今現在の自分自身に意識を向ける瞑想法。ストレス軽減効果が実証され、様々な企業で取り入れられている。

免疫システムは、精神的なストレスに弱いことが分かっています。免疫の要となっているNエヌKケー(ナチュラルキラー)細胞が自律神経の影響を受けることは前回ご紹介しました。精神的なストレスはその自律神経のバランスを崩してしまうのです。

現代はストレス社会とも言われています。まじめで完璧主義の人ほどストレスをためやすい傾向にあるので注意が必要です。ストレスをため込まないように自身をコントロールするコツを身につけておきましょう。

ストレスコントロールといっても難しく考えずに、「心地よい」と感じることを積極的に取り入れることです。そしてつい頑張り過ぎてしまう人は、ほどほどを心がけましょう。身近なお手本となるのが、犬や猫です。彼らのようにマイペースに、時には気の赴くままに生きてみるのもよいかもしれません。

ただしストレスが全くない状況でも免疫力は低下するので、適度にストレスを感じることは必要です。

ドクターQ&A

早めのケアが肝心「かぜの予防とセルフケア」

かぜをこじらせないためには、初期症状の段階で体が発する
小さなサインを見逃さず、対処すること。
かぜの症状を和らげるセルフケアを身につけましょう。

濁川博子先生 東京逓信病院感染症内科 主任医長
にごりかわ・ひろこ 感染症一般、院内感染制御、不明熱を専門とし、同病院感染症内科にて、食事、睡眠、運動といった生活習慣にも配慮した治療を行う。日本内科学会認定内科医・指導医。日本感染症学会認定感染症専門医。

Q1かぜをひきにくいのはどんな人?

A免疫力が高い人はかぜをひきにくいといえます。

免疫力とは、細菌やウイルス などの病原体が体内に侵入することを防いだり、体内にいる病原体を撃退したりしてくれる自己防御機能のことです。そのため、免疫力が高い人は、細菌やウイルスを寄せつけず、たとえ体の中に病原体が入ってきても十分に闘える力があるため、かぜをひきにくいのです。一方、免疫力が低い人は、細菌やウイルスが侵入しやすい上、退治する力も弱いため、かぜをひきやすくなります。

特別な免疫系の病気を抱えていない限り、生まれながらもっている免疫力に個人差はほとんどありません。しかし、ライフスタイルによって免疫力は高 まったり、低下したりします。また、過剰なストレス、睡眠不足、運動不足、栄養が偏った食生活も免疫力を下げる要因に。実際に、ストレスを上手に解消しながら充実した毎日を送っている人は、ストレスをため込んで暮らしている人よりも免疫力が高いといった研究報告もあります。

Q2鼻かぜを長引かせないためには?

A二次感染を防ぐ 早めのケアが大切です。

鼻の粘膜にウイルスや細菌が付着すると炎症が起こり、鼻水や鼻づまりといった症状が現れます。花粉症やアレルギー性鼻炎の鼻水は透明でサラッとしているのに対し、ウイルスによる鼻かぜの初期に見られる鼻水特徴です。黄色や黄緑色の鼻水たんや痰が出る場合は、"二次感染"といって、新たなウイルスや細菌に感染しているサインです。

二次感染を招いてしまうとかぜを長引かせることになるので、初期段階で早めに症状を抑える市販薬を服用しましょう。薬は症状が軽くなったからといってやめてしまわずに、症状が治まるまで用法・用量通りにのむことが大切です。そして、症状に応じた対処法を知っておくことも必要です。例えば、鼻水は粘膜に付着したウイルスや細菌を排除するために出るもの。ティッシュで栓をして止めたり、すすったりせず、こまめに鼻をかんで鼻水を出すようにしましょう。また、鼻づまりを和らげるセルフケアとして、ツボ押しや芳香浴を取り入れてみるのも一案です。

(1)ツボ押し…鼻のつけ根の両脇にある「晴明」と、小鼻の左右のふくらみの脇にある「迎香」は、鼻水や鼻づまりに有効なツボ。左右の指先をこすり合わせて温めた後、「晴明」から「迎香」まで上下にさする。 (2)芳香浴…ペパーミントは、鼻づまりの緩和に有効な香り。熱湯を入れたマグカップに精油を1、2滴垂らし、蒸気をゆっくりと鼻から吸引する。外出する時は、精油を1、2滴垂らしたハンカチやマスクを持ち歩くとよい。

Q3咳を鎮めるには?

A乾燥を防ぎ、のどを潤しましょう。

気道に侵入したウイルスや細菌を排除するための防御反応として咳が出ます。初期症状は、コンコンといった軽い咳ですが、気管や気管支まで炎症が広がると、ゴホンゴホンという痰がからんだ咳になります。痰の量が増えたり、色が黄色や黄緑色をしていたりする場合は、症状が悪化しているサインです。

咳を和らげるセルフケアとして、のどを潤すことが有効です。温かい飲み物やのどを潤す効果のある食材を取り入れるとよいでしょう。一方で、唐辛子などの辛い物やアルコールは、のどに刺激を与え、炎症を引き起こしやすくなるので、控えるよう にしましょう。また、うがいやマスクの着用は、のどを潤し、加湿効果が期待できる他、二次感染の予防にもなります。

正しいうがいの仕方 口の中でブクブクする“口蓋型”うがいと、顔を上に向けてのどでガラガラする“咽頭型”うがいがあります。口蓋型うがいは、口の中の乾燥を防ぎ、食べ物の残りかすを洗い流す、咽頭型うがいはのどの乾燥を防ぎ、付着した病原体を洗い流す目的があります。かぜの予防やのどの痛みを和らげるには、両方のうがいを行うことがポイントです。